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2006年6月18日 (日)

国保崩壊(転載)

Kokuho

晴耕雨読さんのところに、象徴的な記事が載っています。

luxemburgさん経由で読みました。
旨くまとめておられますので、luxemburgさんのエントリーから勝手に転載させていただきました。

 北九州の小倉市に住む 武田正夫さんと、幸枝さんは結婚をした。その後、結婚生活6年目に会社が倒産、二人はその日の暮らしにも困るようになっていった。  前年の収入を基準に、二人に課せられることになった国保保険料額は、年間40数万円。夫のアルバイト生活では払えない。

◆ 離婚
 持病のある幸枝さん、正夫さんのアルバイト代だけが頼りとなれば、生活するだけで精一杯だった。困りはてた二人が考え出した結論は離婚。離婚して一人だけの世帯となれば、幸枝さんに、正夫さんとは全く別に新たな健康保険証が交付される。
 すきあって一緒になったのだから離婚する気なんて全くなかった。しかし、保険証を手にいれて死をまぬかれるために二人で泣く泣くそうした。離婚は、幸枝さんは 泣いていやがっていたという。

◆ 構造改革特区
 北九州市は、この後に、小泉構造改革特区の募集で全国でも構造改革特区一番乗りをしたところ。
小泉構造改革のもとで、失業などで困りきっている市民に対して情け容赦なく国民健康保険料を徴収し、すこしでも払うのが遅いとちゅうちょせずに保険証をとりあげる「モデル市」となった。この特別区でうまくいったことはすみやかに全国に広げるようにせよと米国から強い圧力がかかっている。
 結局、幸枝さんはのちに小泉構造改革のモデル特区となる北九州市の市役所によって支払い期限を無期に延長される誓約書を書かされ、支払うことができなかったため保険証をとりあげられ、窓口で10割の負担を支払うようにされた。
そしてついに3月30日に自宅で動けなくなり、救急車で入院し、わずか3日後の2001年4月2日に息を引き取る。まだ32歳だった。

◆ 全身が病気
病名はバセドウ氏病 糖尿病 胃潰瘍 肺炎 全身出血。死因は衰弱死。
幸枝さんの死後、家の中を泣きながら整理していた正夫さんは幸枝さんがつけていた家計簿のなかに一枚の紙片がはさまれているのに気づいた。

正夫様
いつも具合がわるくてごめんなさい。
正夫ちゃんには いつも迷惑ばっかりかけてごめんなさい。
今の幸枝の体は、いままでで一番つらい状態です。
自分ではどーしようもないくらいです。
だからインスリンうちました。
もし、正夫ちゃんが、かえってきて幸枝がへんになっていてももうあわてないでください。
はっきりいってこんな風なら「死んだほうが楽かも」と思っています。
結局迷惑かけっぱなしでごめんなさい。

いつまでたっても元気にはなれないし、正夫ちゃんにはもうこれ以上めいわくかけたくないの。
何もしれやれん。
病院にも行けない。
手術もできない。
普通に元気にでいいのに。
何でうまくいかんのやろうね
注射打ってもいき続けて、私っていったい何者?
人間じゃないよ
これからの長い人生、ずっとこのままじゃ気が狂うよ。
どんたく楽しかったよ。
ありがとう。
私の出会った人の中で
あなたが一番いい男でした。

どんたくは福岡のお祭り。彼女が死んだのが4月2日でどんたくが例年5月3、4日ぐらいにやるから、彼女は約1年前の祭りのことを「どんたく たのしかったよ ありがとう」といっていたのだろう。

luxemburgさんが述べられているように、
「具合が悪くてごめんなさい」と謝らなければならない国、「普通に元気でいいのに」、ただそれだけのしあわせが与えられない国
になることが、小泉さんの言う「痛みに耐えてよく頑張った」結果でしょうか!

今朝の読売新聞では、給食費や学用品代、修学旅行費などの「就学援助」を受けた小・中学生はこの4年間で約36%も増え、全体の1割を超える!計約133万7000人とのことです。

文科省が各市町村の教委に行ったアンケート調査の結果では、増加原因の理由は「企業の倒産やリストラ」がトップとのこと、景気がよくなったというのはどこの国の話でしょうか?

「小泉改革」とは、多数の貧しい人々を作りだして、その分の富を少数の「勝ち組」に掻き集めているだけのことなのでしょう。

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