「平和の日おめでとうございます!」
大分に赤とんぼの会(問い合わせは大分市の「みんなの家」TEL 097-545-3134)というのがあります。
「戦後政治の総決算をめざす改憲論者、中曽根首相が登場したことに不安を抱いた」同市内の主婦たちが昭和57年末に作った会で、毎年8月15日に「平和憲法9条を守ろう」という意見広告を地元紙も含めて主要五紙に出しており、今年で二十四回目となるそうです。趣旨に賛同する広告主一人一人の名前(匿名も可)を載せる形(写真参照)を続けており、昨年は他県からの参加も含めて三千二百六人の賛同者を得たそうです。
以前からその存在は知りつつそれほど関心は持っていませんでしたが、今年は妻の友人に勧められて、一口広告主になりました。(8月7日が締め切りだそうです。)
毎年たった一日だけ、それも虫眼鏡で見ないと見えないくらい小さな名前の集まりは、それこそごまめの歯ぎしりにしか見えないかもしれません。ただ実際の紙面を見ると印象は随分違います。日々の生活に追われ、いつもはこの種の意見を声高には発していないであろうごく普通の人々がこんなにも沢山いて、機会さえあれば平和への意思表示をしたいと思っているのだなあと感動してしまいます。
しかるに8月4日の新聞紙面では小泉首相が8月15日の終戦記念日を軸に靖国参拝を検討しており、その理由が「参拝に反発して首脳会談を拒否する中国の要求に屈する形になるのを避けるべきだと判断」したからとのこと。まるで靖国参拝に反対しているのは中韓だけで、国内には反対意見は無きかのような報道の仕方です。
1年にたった1回、一口1000円のお金を都合して自分の意見をようやく新聞紙上に(それも恐らく全国版ではないと思います)載せられる人々の声は、毎日の怒濤のような興味本位の事件・事故報道や人々の劣情に訴える低俗な番組の前では殆ど顧みられることがないのが現実でしょう。
だからといって、ただ手をこまねいていては彼らの思うつぼです。8月15日の参拝にこだわる小泉首相ですが、もともと8月15日はこの国に住む我々全てにとって特別な日、おおいにこだわらなければならない日です。何もかも失なった焼け野原の中で、この国に住む殆ど全ての人が、「戦争では何も解決しない、戦争は何もかもを奪い尽くすまで続く、戦争は庶民にとって最大の不幸だ」ということを思い知った日です。
いわば「平和の原点」、「平和の記念日」です。その反省に立って私たちは、二度と戦争をしないことを誓い、戦争放棄を唄った世界に誇る今の平和憲法を受け入れたはずです。8月15日は小泉首相にとってではなく、戦争を憎み平和憲法を守り続けようとする私たちにとってこそ、こだわり続けその意志を見せ付けるべき日です。
さいわい今の私たちにはネットがあり、ブログがあり、メールやファクスがあります。
8月15日は皆で一斉に、反戦や護憲、平和のメッセージのバナー(どなたか誰にでも受け入れられ、かつ印象的なものを作ってくれれば有り難いのですが…)を張り、新年の挨拶のように「平和の日おめでとうございます!」のメッセージ(もっと気の利いた表現があれば大歓迎です。)をメールやファクスで(年賀メールや年賀ファクス送るように)知人や会社、組織、果ては新聞社、放送局、政党事務所や議員事務所にまで送りつけ、靖国参拝など吹き飛ばしてしまおうと思うのですが如何でしょうか!
新聞やテレビがその日首相の靖国参拝のニュース一色でも、へこたれずに済みそうなので私は実行します。
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まず、基本的に勘違いしているようだが、靖国神社はただの宗教法人であって、それに対して国が任意解散だといっても介入するのは政教分離から考えても論外だ。靖国神社は、人を殺すことを奨励する神社だが、それはその信教の自由があるのだし、この世には信じられない宗教というものはごろごろしているのだから、放っておけばいい。そのままならそのままでいい、... [続きを読む]
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今朝、海外から帰ってきた。
皆様には大変迷惑をお掛けしたと思います。特に、「ビジネス業界と学会に『妖怪』が現れた(1)(2)」の長文の分かり難さを提示したまま、出張をしてしまったことをお許しください。この件に関したは、追って徐々に、社会の格差、大企業連携が作る格差、中小零細企業の連携による経済格差への抵抗、大学というエセ研究機関での利権の横暴、若手研究者の実態と提携することによる旧体制への抵抗、・・を解説することになると思います。週刊誌的曝露をこのブログで行うつもりはありません。ですから、丁寧に... [続きを読む]
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テレビ中継を見ていたが、ヒロシマで小泉純一郎首相は「今後とも憲法の平和条項を順守し、非核三原則を堅持する。核兵器廃絶と恒久平和の実現に向け、国際社会の先頭に立ち続けることをあらためて誓う」とあいさつしているのを聞... [続きを読む]
受信: 2006年8月 6日 (日) 15時02分
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1、概論その一戦争と一般に言われるものそのものの性質がフランス革命以降、国民国家成立以降に大きく変貌しており異なっている、従いここでは国民国家以降について書いていきたい、もちろん国民国家以降のヨーロッパと他地域特にはアジア地域でもその様相は大きく異な ..... [続きを読む]
受信: 2006年8月 6日 (日) 15時49分
» 小泉首相の最後のお粗末が……靖国参拝論か!小泉メール? [やぶにらみトーク]
小泉内閣メールマガジンというのが、小泉内閣発足後、しばらくして始まった。私も、面白い試みだと思ったもので早速加入して愛読してみることにした。
しかし、各大臣のプロフイル、ご意見論説までは良かったが、その後は小泉イズムの押し付けに終始したため自然と遠....... [続きを読む]
受信: 2006年8月 7日 (月) 13時29分
» 北朝鮮並みの暴力列島と化しつつある日本:8・9長崎原爆祈念日に右翼街宣車が全国から200台結集 [エクソダス2005《脱米救国》国民運動]
北朝鮮が国家丸ごと暴力団であることは今回のミサイル乱射恐喝事件からも明らかである.実際北朝鮮の外貨獲得主力産品は偽札・覚醒剤・兵器・偽煙草などすべて禁制品の密貿易ばかりであり,かつこれらの取引には必ず周辺国のマフィア・カルト宗教団体がからんでいる.これらのことをすべて国家的事業として遂行し,しかもその収益はすべて金正日の懐に入るという仕掛けになっている.金正日は紛れもなく国際犯罪者であり凶悪な大量殺人者だ!
←ご協力お願いします!現在国連安保理における制裁決議や関係各国の捜査機関の連携による... [続きを読む]
受信: 2006年8月 7日 (月) 14時49分
» 安倍の恥書『美しい国へ』批判 [カナダde日本語]
AbEndへのTBを見ても、このところ、安倍批判が厳しくなっているような気がする。どんどんこの調子で安倍批判が国民に浸透して、来年の参院選で辞任に追い込めればと思う。
今日は安倍の恥ずかしい恥書「美しい国へ」につてい森... [続きを読む]
受信: 2006年8月 7日 (月) 23時37分
» 安倍の手下,糖尿病の林を,参院議員から追い出そう! [Die Weblogtagesschau laut dem Kaetzchen]
あ,どうしても我慢できずに,政治の記事になってもた(自爆)
私たちのブログのトラックバック仲間である,山口県周南市の とくらさん が,正式に民主党の参院選・山口県選挙区候補として擁立が決定したそうです。
とくらさんには住民運動の経験から,古臭い組合中心体質の民主党の構造も変えて欲しいものですね。長野県で民主党が自主投票に回ったのは,明らかに責任放棄としか言いようがない。羽田さんには大いに反... [続きを読む]
受信: 2006年8月 9日 (水) 16時33分
» 政府の少子化対策の稚拙さ [関係性]
日経新聞(7月18日付け朝刊)に「人口減ニッポン 危機どう克服」の中で、堺屋太一(元経済企画庁長官)と猪口邦子(少子化・男女共同参画担当相)の議論が掲載された。
この議論の中心課題は、少子化や人口減少への対策をどうするかである。
(以下の各氏の討論は私なりに簡略化し、本文全てではありません。もし、趣旨が異なれば、その責任は全て私にあります。)
〓出生率低下の意味するもの
堺屋:60年代から人口問題を見、40年の間に議論は変化している。しかし、政府施策は官僚主導で財政支出を小刻み... [続きを読む]
受信: 2006年8月 9日 (水) 19時15分
» すでに食糧配給制が始まっているアメリカ:二千五百六十万人,全人口の10%近くが配給プログラムに依存 [エクソダス2005《脱米救国》国民運動]
私が2005年11月17日付の「去年の名残の蝋燭を立てて,今宵早めのメリークリスマス!」と題するエントリで,「これから5年以内に主食の配給制の復活が必要になるだろう」と予言したことを記憶されている読者もおられるかもしれない.
←ご協力お願いします!そこにはこんな風に記されている.『私は5年以内に主食の配給制(の復活)が必要になるのではないかと見ているのですが,悲観的過ぎるとお思いですか?私の認識ではバブル崩壊とその後の不良債権処理は,第2次太平洋戦争の敗戦とその戦後処理ということになっています... [続きを読む]
受信: 2006年8月10日 (木) 08時06分
» 実力のない者が・・・ [喜八ログ]
「次期総理ほぼ内定の世襲議員」や「疑惑のボクシング世界チャンピオン」を見ているうちに思いだした人物がいます。小学校3年の同級生だったMくん。彼は「疑惑の指名」により学級委員の地位に登りつめ(?)、けれども級友たちの糾弾によりその地位を失わなければならなかった悲喜劇の主人公でした。
当時、私...... [続きを読む]
受信: 2006年8月10日 (木) 20時52分
» 経済格差への市場対応 [関係性]
6月7日の記事「経済格差による市場分断」をここで少し書き換えて、整理しておくことにする。
「経済格差」による市場分断が進んでいる。要するに、ある一定の品質・価格の商品が売れていたものが、急激に落ち込む傾向を示す。勿論、消費者選好の変化がそれをもたらしたとも言えるが、その選好変化も含めてその品質・価格に手が出せない中間層の消費者の下落が基になっていると考えるのが妥当である。ここに、中間層を中心になだらかに上層と下層に市場が分布していたものが、上下へとくっきりと市場分断が進んできた。ビジネスもそれに... [続きを読む]
受信: 2006年8月11日 (金) 22時23分
» 『鎮霊社』からみた靖国神社 ひっそり鉄柵の中【東京新聞】 [雑談日記(徒然なるままに、。)]
今日、8月12日の東京新聞朝刊「特報」欄です。大事な記事なので取り急ぎご紹介し [続きを読む]
受信: 2006年8月12日 (土) 15時37分
» ニューメディア維新到来となるか [石橋を叩いても渡らないかも?]
既存のマスメディアの在り方が問われている現在、インターネットという新たな通信手段によって、その牙城の一角を崩すべくニューメディアが誕生しようとしている。 「オーマイニュース」。 筆頭株主は。すでに韓国で成功している同名のインターネットニュースサイトではある..... [続きを読む]
受信: 2006年8月13日 (日) 04時26分
» ケネディ政権のときに本格実践された食糧配給制(フードスタンププログラム)は公民権運動の成果でもある [エクソダス2005《脱米救国》国民運動]
前便でも書いたように,私がアメリカで現に食糧配給制が実施されているという事実を知ったのは,≪喜八ブログ≫経由で読んだ在米フリーランス・ジャーナリスト堤未果氏の記事によるが,阿修羅掲示板では SunShine さんからいくつかの貴重な情報を寄せて頂いた.それによると,米国における食糧配給制度の歴史は古く,すでに1939年には最初のパイロット事業が実施されているという.この時は1939年5月から1943年春までの正味4年間だった.
←ご協力お願いします!1929年10月24日ニューヨークのウォール... [続きを読む]
受信: 2006年8月13日 (日) 12時01分
» 富裕層ビジネスの意味〓 [関係性]
副題:デパ地下の高級品への転換、
外食での客単価上昇と対比した来客数減少、
富者の海外逃避
「経済格差」の進展は、新聞報道による三つの現象から私たちに示唆を与えてくれる。
〓 その一つが、デパ地下の食品売場での高級品化である。
ここ数年、デパート(百貨店)の売上減少に対して地下街食品売場が活況を呈しているというニュースが多く流れていた。
言うまでもなく、デパートの格式だけで価格の高さをブランドとして消費者を引き付けていたものが、長期の景気低迷で専門店が発展... [続きを読む]
受信: 2006年8月14日 (月) 20時55分
コメント
私も思いっきり大声で15日に言います。
“平和の日おめでとうございます!”
この日を祝える喜びを周り近所、社内、親戚に伝えましょう。
投稿: morichan | 2006年8月 6日 (日) 17時51分
morichanさん、一日遅れの返事ですみません。
8月15日は戦争反対の原点ですから、おおいにこだわりたいと思います。
投稿: panta | 2006年8月 7日 (月) 21時44分
市場の変化は激しいです。その市場を掴む工夫に四苦八苦しています。
ところが、憲法九条は世界市場でやっと日の目を向けられ、これからの市場そのものに変わると思います。
だからお願い、消費者の皆さん!
憲法九条を沢山買い、回りにもその品質の良さを伝えて下さい。
投稿: morichan | 2006年8月12日 (土) 08時38分
morichanさん、コメントとTB有り難うございます。
ユニークな視点からの九条擁護ですね。安倍政権になったら、カリスマ性が無いぶんだけ余計外敵の脅威を利用して支持を得ようとするでしょうから、本当に心配です。
投稿: panta | 2006年8月12日 (土) 20時55分
大変な日になりました。小泉の本性がヤスクニに表れています。
「経済格差」の拡大を庶民に押し付け、それを確固とした権力によって押さえつける仕組み作りが、ヤシクニ参拝です。
現状をひっくり返す行動――アメリカの広島・長崎への原爆投下、北ベトナムへの北爆、北朝鮮のテポドン発射、周辺国が反対しているにも拘らず日本の海外侵略の正当化――は同じです。
私は「経済格差」が様々なところで、表現されていることを明確にしていこうと思っていますが、私はブログだけでは終わらず、行動もするつもりです。
投稿: morichan | 2006年8月15日 (火) 08時15分
morichanさん、おはようございます。
いつもコメントいただき、感謝しています。
憲法改悪が次の政権で具体化してきたら、私も行動を起こさずにはいられないと思っています。
投稿: panta | 2006年8月16日 (水) 08時23分