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2006年10月の4件の記事

2006年10月27日 (金)

読んでみよう、教育基本法

Boy_1

恥ずかしながら、この年になって初めて教育基本法を読んでみました。


法律というと小難しく判りづらい文体で長ったらしいものという先入観があったのですが、日本国憲法の前文と同様、簡潔で明快な文章でした。


全11条と附則からなり、2〜3分で読めてしまいます。文部省訓令の「教育基本法制定の要旨について」も含めて何度か読み返してみましたが、どうしてこの法律を早急に変えねばならないのか私には判りませんでした


義務教育の年数などは確かに見直す余地もあるかもしれませんが、それはこの法律の理念とは関係のない技術的な問題です。24日に首相と文科相は「いじめ問題もあるので教育の責任を明確にする」との方針で一致したそうですが、まさかいじめや不登校をこの法律のせいにするつもりじゃないでしょうね。


みなさんにも是非御一読をお奨めします。


文部省訓令「教育基本法制定の要旨について」の冒頭の一文を下記に引用します。

さきに、憲法の画期的な改正が断行され、民主的で平和的な国家再建の基礎が確立せられたのであるが、この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。

平和憲法と現行の教育基本法が不可分の関係にあることがよくわかります。逆に言えば、現行の憲法を変えたい人々が教育基本法をまず改正したがるのもわかる気がします。

Girl_1

新聞で教育基本法”改正”の政府の改正案と民主党案のポイントが列記されていましたが、はっきり言ってどこがどう違うのかよくわかりませんでした。要は愛国心を明記したいがためだけに改正しようとしているのではないでしょうか。その点ではむしろ民主党案の方がより明確に表現していますし、また民主党案では「教育は不当な支配に服することなく」の文言が削除されていたり、丸呑みされたら危ないなあと思ってしまいます。法律家でも教育専門家でもない私の感想ではありますが…。

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2006年10月23日 (月)

連帯

Trb

昨日(10月22日)の補選の結果は残念でした。大阪の方は少し期待もしていましたし、なかなか当確も出なかったのでもしやと思ったのですが、やはり届きませんでした。今朝(23日)の新聞には「高い支持率が追い風」なんて言葉が踊っていましたが、自分たちが演出しておいてよく言えたものです。しかも共謀罪といい、イーホームズの藤田社長の告発の件といい自民党に不利なことは一切報道せずの姿勢には呆れてものが言えません。


これから先の展開を考えると、今朝はさすがに気持ちが萎えてしまいました。そんなときよく覗いてみる「反戦な家づくり」、明月さんの文章も今日は少し湿りがちでしたが、最後の2文字「連帯」を見て何故かとても勇気づけられました。ブログを知る前の私だったら、もうお先真っ暗な気持ちでしかなかったでしょう。しかし自分と同じような考えの人々が沢山いて、必死に発信し続けていることが、ネットを通してブログを介してはっきり伝わってきます。おかしいと思っているのは私ひとりではありません。


私からも熱い熱い「連帯」を送らせていただきます。

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2006年10月20日 (金)

緊急掲載(共謀罪反対ビラ)

Kyouboubira

喜八さんから、「緊急のお知らせ【転載歓迎】重大情報!共謀罪は10月24日法務委員会法案審議冒頭に強行採決か!?(海渡弁護士)」をいただきました。
もう余り間がありません。イーホームズの藤田社長の記者会見を平気でスルーして恥じないテレビや新聞はもはや死んでいます。口コミやビラだけが頼りです。
配りやすい1枚版のビラを作成しましたので、是非御利用下さい。


「共謀罪のビラ」をダウンロード

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2006年10月11日 (水)

臆病者の手榴弾

はじめに素晴らしい絵本の紹介を…


絵本「戦争の作り方」(HTML版)

ファミリー メンタル クリニックさんのところで知りました。)


 


さて本題です。


Kim_1

北朝鮮がとうとう核実験をした模様です。少なくとも北朝鮮政府はそう発表しました。日本の目と鼻の先に新たな核保有国が出現しました。その性能はともかく運搬手段であるミサイルも保有しています。


さあ、現実的な外交が試されるときです。


日本も対抗して核兵器を保有すべきでしょうか? お互い2,3発ずつ核を打ち込めば壊滅するような国土の狭い国同士です。あまりにも近すぎて迎撃ミサイルもさして役に立たないでしょうから、西部劇の決闘のように先に撃った方が勝ちというわけにも行きません。遅れて撃った方のミサイルの核も確実に相手に壊滅的な打撃を与えるでしょう。


北朝鮮の核は恐らく他国を侵略するための核ではなく、アメリカだけではなく中国やロシアからも現体制を潰されたくないが故の手段なのでしょう。誰にも相手にされず、皆が自分を狙っているといつもビクビクしている臆病者が、欲しくてたまらなかった手榴弾を手に入れたようなものです。投げたら最後、自分にむかって雨あられと手榴弾が投げつけられることは重々承知のはずですから、絶対に使えるはずのない武器です。


テレビや新聞は「核の脅威」で大騒ぎですが、我が国も対抗して核武装し、お互いに相手に狙いを定めたまま凍り付いてしまう(その場合には国内の反対意見や少数意見も利敵行為として非難するような”世論”が形成されるかもしれません)のがよいのでしょうか。もう何百発も核兵器を持って大きな顔をしている周囲の国々や、我が国が核武装したら必然的に核武装に走るであろう韓国をもまきこんで、北朝鮮に核保有が一銭の得にもならないことを説得するのとどちらが現実的な対応なのでしょうか。

Hibakusha

日頃勇ましいことを言っている人たちにお聞きしたいと思います。私も北朝鮮と同じくらい臆病者で原爆で死ぬのはとても恐ろしく身の毛がよだちます。どうしたら北朝鮮の核の脅威から身を守れるのでしょうか?


憲法を改正して自衛隊を他国の攻撃もできる軍隊にすれば、この恐怖は乗り越えられるのでしょうか? 日本を遙かにしのぐ世界一の軍事力と情報収集能力を持った米軍が、核兵器さえ持たぬイラクであれほど手こずっているのに、日本の軍隊が北朝鮮を沈黙させることができるのでしょうか。


イラクへの自衛隊派遣が決まったとき、よく「北朝鮮から日本を守ってもらうためには、アメリカの言うことを聞かなければならない」という議論を耳にしましたが、本当でしょうか? それにしてはアメリカが、ここまで事態が深刻化するのを坐視していたのがどうにも解せません。北朝鮮から核ミサイルが飛んできたときにアメリカはすぐさま打ち落としてくれるのでしょうか? あまりにも日本への到達時間が短すぎて無理だと思うし、迎撃ミサイル自体の性能の悪さもよく耳にします。


私の浅はかな知識ではこれくらいのことしか思いつきません。でも待てよ、同じ日本のすぐ近くの国で核兵器を何百発、何千発も持っていて、有人宇宙飛行まで可能なロケット技術を持っている国が確か2つほどありましたが、あまり恐怖を感じないのはどういう訳でしょう。そのうちの一国を安倍新総理は満面の笑顔で訪問していました。


安倍総理が真っ先にすべきだったことは、中韓訪問時に見せた自信たっぷりのよそ行きの笑顔で「狼狽える必要はない、北朝鮮は一発の核ミサイルも我が国に撃つことはできない。そのために私は全身全霊を打ち込んで北朝鮮と交渉する。」と国民を安心させることではなかったでしょうか。でも実際に彼がしたことは別人のようなのっぺり顔で、たどたどしく原稿を読み上げることでした。その様子はいかにも頼りなく不安を感じたのは私だけではなかったはずです。


ところが同じ彼が、国会では日本海の公海上で米軍が北朝鮮の船を臨検して戦闘になった場合、自衛隊が助けるのが当然のような議論を展開しています。安倍さんはいったいどこの国の首相なんでしょう。もう憲法改正して戦争のできる国になってしまっていると勘違いしているのでしょうか。それとも米国日本州の州知事だったのでしょうか。こんな時こそ我が国は「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」という平和憲法を持つ国だから公海上では手助けはできない。そのかわり他のあらゆる手だてを使って北朝鮮を封じ込めると堂々と米国に言えないのでしょうか。隙を見たら、武力の行使へ、戦争へと持って行こうとしており油断も隙もあったものではありません。


今国民から一番求められているのは、安心と安全の補償でしょう。でもそれは憲法を改正したり、核兵器を持つことではない のだと思います。

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