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2006年6月18日 - 2006年6月24日の2件の記事

2006年6月21日 (水)

岩国市民は爆薬のヒューズを切断するか?

Kasaihiroyuki

JR東海会長の葛西敬之という人が「地球を読む」という6月18日(日曜日)の読売新聞1面を飾るコラムに書いています。(1面から2面にまたがる長文のコラムなので、全文を読みたい方は図書館でどうぞ。)

題して、〜「民意」問う歴史の教訓(副題:岩国市の住民投票)〜
彼は岩国市の住民投票と市長選挙の経緯を見て次のような歴史的事実を連想したそうです。


第2次世界大戦直前の英・仏とドイツの関係の歴史である。(中略)
アンドル河畔のある村では、フランス軍がドイツ軍の進撃を遅らせるために橋梁に仕掛けておいた爆薬のヒューズを、村人が切断してしまった。自分たちの家や店舗を戦闘により壊されたくなかったのだ。またポアティエの市長はドイツ軍に降伏すべく、車に白旗を掲げてフランス軍陣地の前を走り去った。そして市民たちは、フランス兵が構築したバリケードを破壊すると言って兵たちを威嚇した。
一部の人たちの利益を守ろうとする「民意」が、時に全体の利益を著しく損ない得るということをこの例は如実に示しているように思われる。(中略)
「民意」は尊重されなければならない。しかし一部の利益が過剰に主張されたとき、それはブーメランのように自分に戻ってきて、自らを傷つける凶器となる。

何と悪意のあるすり替えでしょうか。

Iwakuni

全文を通して、岩国市民への思いやりは一切ありません。
彼は何度も、「一部の人たちの利益」と言っていますが、騒音や墜落の危険から逃れたいというのが、「一部の人たちの利益」すなわちエゴというのでしょうか?

御自分も一族郎党も米軍基地のすぐ近くに住み、そこに会社もあり、毎日の轟音や墜落の恐怖におびえながら、仕事や日々の暮らしをしているけど、自分は全体の利益のために我慢していると言うのならまだわかります。
でもそうではないはずです。自分や家族はとても環境のいいところに住み、会社では快適な会長室でお過ごしのはずです。

そのうえで、騒音や墜落の恐怖から逃れて最低限の生活の質を守りたい(それもこれ以上重荷が増えるのがいやだという)だけの岩国市民の悲鳴を、どこかで仕入れたフランス人の利敵行為の逸話にすり替えて得意げに、非難しているのです。

岩国市民はもし戦争が始まったら、みな敵の味方をするというのでしょうか?

太平洋戦争では国家の思惑はともかくとして、多くの若者が純粋に祖国や愛する人々を米国の侵攻から命をかけて守ろうとしたが果たせませんでした。結果として現在わがもの顔でこの国を操っている米国の、そのお先棒を担いで、まるで自分がアメリカ政府の要人のように世界戦略を得意げに語る彼の方こそ、散っていった当時の若者からしたら利敵行為の売国奴でしょう。

心ならずも自分の地元に米軍基地がある、そのために騒音に苦しめられ、墜落の恐怖におののいて、反対することのどこが悪いというのでしょうか!

そして彼の言う「全体の利益」とは、きっと彼が主要なメンバーの一人と思っているこの国の支配層の利益のことでしょう。

Usf


葛西さんとやら、JRの会長さんと言うことなので、あなたはきっととても偉い人なのでしょう。私は知りませんが、きっと政府の偉い人達の会議か何かのメンバーにも選ばれているのでしょう。


でも、いくら大企業の会長に上り詰めて、大新聞の日曜1面のコラムニストに選ばれるようになったからと言って、勘違いしてはいけません。あなたが、唯一無二の特別な存在と思っているとしたら、大間違いです。


代わりはいくらでもいます。(いつも思うのですが、本当に代わりはいくらでもいるのです。)


不謹慎なことを書きますが、もしこの瞬間にあなたが不幸にもこの世を去ったとしても、会社も世の中も一瞬悲しみの表情をしてみせたあと、すぐに何事もなかったようにまた動き続けるでしょう。
なにせ代わりは山ほどいるのですから。そしてあなたのことなどすぐに忘れ去られるでしょう。


しかし、米軍基地がある限りは周辺住民の苦しみは未来永劫に続くのです。


あまり偉くなりすぎて、普通の人達が虫けらのように見えるのかも知れませんが、まず御自分が轟音の下でお暮らしになってみて、それから大新聞にでも何にでもご意見をのたまったら如何ですか。

JR東海会長、葛西敬之さんに岡林信康の「がいこつの唄」をお送りします。


がいこつがケラケラ笑ってこう言った
どうせてめえらみんなくたばって
オイラみたいになっちまうのによ

だれがえらいもあるもんけ
どうしてそんなに
でっかいつらをやりたがるのか
(以下略)

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2006年6月18日 (日)

国保崩壊(転載)

Kokuho

晴耕雨読さんのところに、象徴的な記事が載っています。

luxemburgさん経由で読みました。
旨くまとめておられますので、luxemburgさんのエントリーから勝手に転載させていただきました。

 北九州の小倉市に住む 武田正夫さんと、幸枝さんは結婚をした。その後、結婚生活6年目に会社が倒産、二人はその日の暮らしにも困るようになっていった。  前年の収入を基準に、二人に課せられることになった国保保険料額は、年間40数万円。夫のアルバイト生活では払えない。

◆ 離婚
 持病のある幸枝さん、正夫さんのアルバイト代だけが頼りとなれば、生活するだけで精一杯だった。困りはてた二人が考え出した結論は離婚。離婚して一人だけの世帯となれば、幸枝さんに、正夫さんとは全く別に新たな健康保険証が交付される。
 すきあって一緒になったのだから離婚する気なんて全くなかった。しかし、保険証を手にいれて死をまぬかれるために二人で泣く泣くそうした。離婚は、幸枝さんは 泣いていやがっていたという。

◆ 構造改革特区
 北九州市は、この後に、小泉構造改革特区の募集で全国でも構造改革特区一番乗りをしたところ。
小泉構造改革のもとで、失業などで困りきっている市民に対して情け容赦なく国民健康保険料を徴収し、すこしでも払うのが遅いとちゅうちょせずに保険証をとりあげる「モデル市」となった。この特別区でうまくいったことはすみやかに全国に広げるようにせよと米国から強い圧力がかかっている。
 結局、幸枝さんはのちに小泉構造改革のモデル特区となる北九州市の市役所によって支払い期限を無期に延長される誓約書を書かされ、支払うことができなかったため保険証をとりあげられ、窓口で10割の負担を支払うようにされた。
そしてついに3月30日に自宅で動けなくなり、救急車で入院し、わずか3日後の2001年4月2日に息を引き取る。まだ32歳だった。

◆ 全身が病気
病名はバセドウ氏病 糖尿病 胃潰瘍 肺炎 全身出血。死因は衰弱死。
幸枝さんの死後、家の中を泣きながら整理していた正夫さんは幸枝さんがつけていた家計簿のなかに一枚の紙片がはさまれているのに気づいた。

正夫様
いつも具合がわるくてごめんなさい。
正夫ちゃんには いつも迷惑ばっかりかけてごめんなさい。
今の幸枝の体は、いままでで一番つらい状態です。
自分ではどーしようもないくらいです。
だからインスリンうちました。
もし、正夫ちゃんが、かえってきて幸枝がへんになっていてももうあわてないでください。
はっきりいってこんな風なら「死んだほうが楽かも」と思っています。
結局迷惑かけっぱなしでごめんなさい。

いつまでたっても元気にはなれないし、正夫ちゃんにはもうこれ以上めいわくかけたくないの。
何もしれやれん。
病院にも行けない。
手術もできない。
普通に元気にでいいのに。
何でうまくいかんのやろうね
注射打ってもいき続けて、私っていったい何者?
人間じゃないよ
これからの長い人生、ずっとこのままじゃ気が狂うよ。
どんたく楽しかったよ。
ありがとう。
私の出会った人の中で
あなたが一番いい男でした。

どんたくは福岡のお祭り。彼女が死んだのが4月2日でどんたくが例年5月3、4日ぐらいにやるから、彼女は約1年前の祭りのことを「どんたく たのしかったよ ありがとう」といっていたのだろう。

luxemburgさんが述べられているように、
「具合が悪くてごめんなさい」と謝らなければならない国、「普通に元気でいいのに」、ただそれだけのしあわせが与えられない国
になることが、小泉さんの言う「痛みに耐えてよく頑張った」結果でしょうか!

今朝の読売新聞では、給食費や学用品代、修学旅行費などの「就学援助」を受けた小・中学生はこの4年間で約36%も増え、全体の1割を超える!計約133万7000人とのことです。

文科省が各市町村の教委に行ったアンケート調査の結果では、増加原因の理由は「企業の倒産やリストラ」がトップとのこと、景気がよくなったというのはどこの国の話でしょうか?

「小泉改革」とは、多数の貧しい人々を作りだして、その分の富を少数の「勝ち組」に掻き集めているだけのことなのでしょう。

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