お笑いが日本を変えた!
自他ともに認めるB層の妻が言いました。「○○(私の呼称)が言うように毎日お正月番組みたいね。お笑いの人達と若い女性タレントがひな壇に並んでゲラゲラ笑ってるだけよね。何か世の中が変わってしまったよね。」
何時からでしょう、こんな感じになってきたのは。西川やすし・きよしなどの第1次漫才ブームの時はまだテレビ番組の一分野に過ぎなかったように思います。「8時だよ、全員集合」は私も楽しみにみていましたが、ギャグで食べ物を粗末にすることへの批判はあったものの、まだタガは外れてなかった気がします。
その後、お笑い軍団みたいのものがいくつか登場して、大仕掛けで冒険ごっこをするような番組が始まり、軍団の大将の無理難題によって子分達が酷い目に遭う様子をみせて視聴者を楽しませるような構成でした。その流れで過酷な罰ゲームを売り物したり、若手の芸人さんにその尊厳を踏みにじるような試練を課してモニターを通して皆で笑い飛ばしながら観察するような企画が出てきたのではないかと思います。たかがテレビと思って見過ごしてきましたが、影響力の大きい(とりわけ子供達にとっては)テレビだからこそ、この時期に私たちは声を挙げなければいけなかったのかもしれません。

そのうちにいわゆるバラエティ番組というのが幅を利かせるようになり、タレント達の身の上話やクイズ遊び、果てはふざけあいをだらだら流すだけのお手軽な番組が日がな一日続くことになります。そしてたいていその司会や出演者にはお笑いの人たちが配されており、かくして何も考えずゲラゲラ笑ってテレビを見ていれば日が経っていく有り難い仕組みができあがっていきます。さらに最近ではその応用編として、法律相談や政治論議までバラエティ化され弁護士や政治家先生達がこぞって御出演です。ここでもお笑いの人たちがキーポイントで彼らにあわせてうけをとれることが大切な出演条件のようです。テレビという土俵の上で先生、先生と祭り上げられつつ、実際はいいように笑いの出汁に使われています。
一面的に見るとそういうテレビ的なものの結実のひとつが一昨年の郵政民営化劇場型選挙だったのではないでしょうか。最近は報道番組のバラエティ化も進んでおり、今にお笑いの人がニュースキャスターを務めて面白おかしくニュースを報じるのではないかという悪夢が頭をよぎります。
私は一生懸命芸を磨いているお笑い芸人さん達をこの記事で揶揄しているわけではありませんので、念のため。
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