これが私たちの宰相です。
先日の日曜日、いつもありがたい雑用を仰せつかる妻が友達と外出していましたので、私は溜まりきっていた事務的なやっつけ仕事に心おきなく精を出すことができました。その間、きっこのブログで紹介されていた衆議院教育再生特別委員会での菅直人と安倍晋三との質疑の模様をBGM的にではありますが、最初から最後まで衆議院TVで見ることができました。当日はアクセスが多かったのか、きっこのブログからのリンクではいつまでも映像が始まりませんでしたが(本日4月25日現在は大丈夫のようです)、衆議院インターネット審議中継のビデオライブラリから、「4月20日」、「教育再生特別委員会」、「菅直人(民主党・無所属クラブ)」と順を追って入ると視聴可能でした。
(以下記憶を頼りに書いていますので、正確でないところもあるかも知れぬことをお断りしておきます。)
1時間の長さでしたが、本当にただただ呆れ返るばかりでした。冒頭、菅さんから長崎の伊藤市長射殺に対する見解をただされると、暴力やテロの卑劣さや民主主義への脅威を一国の総理らしく重厚に語るのかと思いきや、始めに小声の早口で少しそのことに言及しただけで、後は自分はその報を聞いてああしたこうしたとの弁解じみた発言に終始し、それどころか菅さんの発言を言いがかり呼ばわりしていました(実際に「言いがかり」と言う言葉を使っていました)。首相がどういう発言をしたかはもう知れ渡っています。たとえ菅さんにそのことに言及しようという意図が見えたたとしても、ここは涼しい顔で民主主義や暴力に対する自らの信念をきっぱり述べるところではないでしょうか。私のようなずぶの素人にもわかることです。”人品卑しからぬ”という言葉がありますが…言わずもがなです。菅さんも「言いがかりととられないように気をつけて質問したのですが…」と呆れていました。
話が沖縄での集団自決への軍の関与が教科書検定で削除された問題に移ると、あろうことか「いま沖縄の参院補選の最中なのでこの話題を取り上げたのではないか」との主旨の発言、これには菅さんも「選挙の争点を国会で論じてどこが悪いのか」と怒っていました。しかし議論はこれ以上進まず「教育再生とは関係ない」の一点張り、”お話にならない”とはまさにこのことです。安倍首相がすかし、若をかばう爺のごとく伊吹文科省が論点をずらしていたずらに時間が過ぎていきます。視ていて歯痒いばかりでした。
一方「総理はキレることが多い」と菅さんに言われると「菅さんにキレると言われたらおしまいです。」と切り返したのはいいものの、それに対して圧倒的多数を占める与党の議員達から喝采が起こると得意満面でおどけたポーズをとる始末です。
ずっと見ていて初めは腹も立ちましたが、やがて本当に悲しくなってきました。この間他の議員達はニヤニヤしたりボーッとしているばかりで緊張感のかけらも感じられませんでした。テレビではパリッとしたスーツに身を包み胸を張って歩く首相の姿がよく放映されます。しかし国会で答弁しているのはまるで”ドラえもん”に出てくる”スネ夫”を連想させるような別人でした。どちらが本性かは国会答弁を見ていれば誰にでもわかることですが、如何せん1時間にわたって国会中継をじっくり視聴できるほど国民はひまではありません。だからこそテレビ・マスコミにはありのままを伝えてほしいと思うのですが…虚しいばかりです。
これが私たちの国会です。これが私たちの宰相です。これが私たちのマスコミです。
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