自衛隊員とその御家族の皆様へ
82歳になる私の父は海上自衛隊のOBです。(以前の記事で公務員と書きましたが、正確には特別職国家公務員です) 農家の長男でしたが、終戦間近に招集され実戦経験はありません。大村の基地から長崎のキノコ雲を目撃したという父が、戦後どういう思いで自衛隊に入隊したのか話してくれたことはありません。しかし当時20代の若者だった父に、新しく自由で平和な国に生まれ変わったこの日本とそこに住む人々を守りたいという思いがあったことを想像するに難くはありません。
私自身、父の仕事を誇りに思って育ちました。生意気な年頃になって父に自衛隊不要論を吹っかけたこともありましたが、心の片方では”専守防衛”という言葉に象徴される”侵略をしない軍隊”、災害時に真っ先に駆けつける”国民のための部隊”を好ましく思っていたのも事実です。怪獣映画ではただひたすらに叩き落とされる自衛隊機や、踏みつぶされる戦車にちょっと不満でしたが、今思うとあれが自衛隊本来の姿で自らを犠牲にして黙々と国民を守ってくれていたのだと思います。
しかるに今の自衛隊はどうでしょう。銃を携帯し装甲車で他国の地を走り回ることが平然と行われました。今も他国で戦闘をしている国々の兵士や物資の空輸を続け、艦船の燃料を補給し続けています。一方国内では他国の軍事基地建設に反対する地元の人々のもとに自衛艦が差し向けられ、平和活動をしている人々の監視を自衛隊がおこなっています。そして何よりも納得がいかぬのは自衛隊の司令部が米国のそれと統合されるような動きになっていることです。
「一体どうなってしまったのか、自衛隊よ!」と叫びたい心境です。私が誇りに思い愛着を持っていた”専守防衛の自衛隊”はどんどんその逆のただの軍隊、しかも外国の傘下の軍隊に変わっていきつつあります。もちろんそれは私の無邪気な幻想でしかなかったこともよくわかりますし、軍隊というのは本質的にそういうものなのでしょう。ただ現在の自衛隊員の方々がどんな志で入隊されたのか私にはわかりませんが、少なくともよその国の一部の支配者達のために命を張って戦いたいと考えて志願した人は一人もいないと思います。今の成り行きに戸惑いを覚えている方も少なからずおられるのではないかと察します。かつて反戦自衛官などと呼ばれた方達もおられましたが、組織の性格上政治的な意見は表だってはできないことでしょう。しかし自分たちを統帥する政府を投票で選ぶことは自由です。選挙の際には上の方から指令が出るなどと言う話も小耳に挟みましたが、この国に住む全ての人々を守るためにはどの政党がよいのかを十二分に吟味して投票してくださることを切に、切に望みます。
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いよいよ「ニッポン」の将来に大きな影響を与える選挙戦は今日を含め3日間。 「利権家+宗教団体」政権が国会を延長してまでも成立させた法案は、ろくな論議もせずに、強行採決の連発で決着した。十分な審議時間を確保すると言う理由で莫大な国民の血税をつぎ込んで国会を延..... [続きを読む]
受信: 2007年7月27日 (金) 08時14分
» とくらさんにTBを送ろう! [喜八ログ]
とくらたかこさんは「安倍晋三首相のお膝元」参院選山口選挙区で果敢に戦い続けています。とくらさんを励ますためにトラックバックを送りましょう! [続きを読む]
受信: 2007年7月27日 (金) 12時30分
» 愛国なら護憲でしょ [BLOG BLUES]
「Under the Sun」の仲間である「とりあえず」が、
またまた素晴らしいエントリーをアップした。「護憲と改憲」である。
改憲賛成という方に、ぜひ読んでほしい内容です。現下の政治状況においては、
護憲こそが日本国の独立を担保するものであり、改憲は米国の世界戦略に
日本を組み入れる、属国的選択であることが示唆される。
現憲法の問題点は、自衛権が明記されていないことであり、
改憲勢力はそこを衝いて来る。この攻勢に対する護憲勢力の反論が
「平和の尊さ」では、勝敗の行方は明らかだろう... [続きを読む]
受信: 2007年7月27日 (金) 14時00分
» 自民劣勢に狂喜する朝日新聞は調子にのるな! [ネトウヨのブログ]
自民劣勢が各種メディアでつたえられ、朝日新聞は相当に喜んでいるようです。今日も一面に赤城農相の事務所問題をもってきて、最終的な選挙戦への支援をしているようです。
民主や社民には逮捕者がいることや、北朝鮮の工作員を助けるよう必死だった議員が多数いることは完全無視。朝日しかとっていなければ、知らないままの人も多数いるかと思われます。
本日付けの朝刊には、気になる記事がふたつほど掲載されていました。
ネット上のソースはありません。
・かすむ憲法論議 残念
(7月27日朝刊)
おやっと思った... [続きを読む]
受信: 2007年7月27日 (金) 15時01分
» とくらたかこ さん は「林よしあき」に勝てるか? [Die Weblogtagesschau laut dem Kaetzchen]
「公職選挙法」の範囲で,参議院選挙の話をしたいと思います.
現在,朝日新聞の調査で,「1人区」で自民が優勢とされている選挙区は,山口・群馬・和歌山・大分とされています.
民主、勢いを維持 自民40議席割れも 参院選情勢調査(朝日新聞) - goo ニュース より.
ところが,兵庫県の津久井さんという弁護士さんは,その世論調査に対して「否!」という意見を書き込んでいます.山口選挙区→希望をうかがわせる期日前投票 − 津久井進の弁護士ノート 面白いので,皆さんも読まれてみて下さい.
... [続きを読む]
受信: 2007年7月27日 (金) 20時00分
» 天木直人とゴールまで走り抜こう! [人工樂園]
「BLOG版『ヘンリー・オーツの独り言』」の本日付「【必見】天木直人さんから託されたファイナル・メッセ-ジ!」から,文末の動画を除いた全文をご紹介させていただきます。天木氏の貴重な言葉を伝えて下さったヘンリー・オーツ様に深く感謝します。引用文には,読者の便宜を考え,引用者の判断でいくつかリンクをつけてみ... [続きを読む]
受信: 2007年7月27日 (金) 20時13分
» 渡辺治教授の「靖国」派を斬る! [再出発日記]
昨日届いた平和新聞7月25日号に「靖国」派を斬る!と題の特集があった。現在「日本会議」を中心とする「靖国」派のメンバーは閣僚の大部分と民主党にも多く存在し、(ワシントンポストに「従軍慰安婦は強制されていない」と言う意見広告を載せた国会議員45人のうち自民29人...... [続きを読む]
受信: 2007年7月27日 (金) 22時41分
» 真の争点は年金問題でも憲法問題でもない!隠された争点は米国追随か、脱米救国かだ!左も右も関係なし! [エクソダス2005《脱米救国》国民運動]
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このタイトルは《ヘンリー・オーツの独り言》のオーツさんが立てられたものだ.もちろん今回の選挙の争点は「憲法問題であり年金問題」である.そして,年金問題を解決するためには,「政権交代」しかないことも確かだ.しかし,これらの問題はすべて繋がっていて,その焦点に「米国追随か脱米救国か」という問題があることもまた確かだ.これは一言で言えば,「戦争か平和か」という問題である.ありとあらゆる悪いことがアメリカから押し寄せてくる.「与党に不利になった選挙区で投... [続きを読む]
受信: 2007年7月28日 (土) 03時22分
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参院選はいよいよ明日.ちょっと前に切り抜いてそのままにしてあった記事を紹介します [続きを読む]
受信: 2007年7月28日 (土) 18時52分
» 三島由紀夫の亡霊が…… [Die Weblogtagesschau laut dem Kaetzchen]
自民・公明・無所属保守に投票すると,三島由紀夫の亡霊が出てくる! 笑われるかも知れないが,あなた方の取っている行動はまさにそのものだからだ.
自衛隊員からも野次を浴びせられ,孤独に打ちひしがれた三島由紀夫が取った行動は唯一,ハラキリであった.ハラキリというのは必ず助手に首切りを手伝ってもらわないとできない,最も野趣で最もみじめかつ情けない自殺の方法である.
日本人がどのような投票行動をするかで,3年後に亡命する日本人がどれだけ出るか,私は愉しみにしている.もちろん,私も身体の続く限り,亡... [続きを読む]
受信: 2007年7月29日 (日) 00時19分
» いよいよ参院選!私たちの思いを「投票」できっちり示そう!・・・私は「安倍自民党にNO!」という。 [日本がアブナイ!]
いよいよ参院選の当日になりました!(@_@。
また改めてゆっくりご挨拶したいと思いますが。今日まで、たくさんのご支援、
本当に有難うございます。m(__)m
そして、どうか今日は日本全国の有権者がひとりでも多く投票所に足を運んで、
日本が民主主義国家として新たな1ページを開けますように。(-人-)
できれば、今夜はおいしいお酒が飲めますように?!(・・)
<目標は、投票率60%超え&自民党系候補の当選者40人割れよ~!(^^)/>
(何かラスト何日かで、PCX2... [続きを読む]
受信: 2007年7月29日 (日) 10時38分
» リーバー法に対する誤解 [誰かの妄想]
南京事件の正当化をしたい人たちが、よく使う根拠として、リーバー法(Lieber Code)があります。
典型的な主張
http://www.janjan.jp/living/0503/0503204805/1.php?action=allmsg_id=7510msg_article=24807
[16736] 日時:2006/03/20 00:09?
「便衣兵の裁... [続きを読む]
受信: 2007年8月15日 (水) 03時29分
コメント
>そして何よりも納得がいかぬのは自衛隊の司令部が米国のそれと統合されるような動きになっていることです
かつて三島由紀夫が自衛隊の屯所で自衛官の前で演説を行いクーデターを起そうとしましたが、失敗して自決しました。
だいたい同じようなことをいってますが、きちがいだとかいわれる意見もあればあそこまで体をはれる人はいなかったという意見もありました。
現状の政治はどうでしょう、アメリカの許しがないと外交ができないがんじがらめな状態でしょう。三島が言ったことがほとんど当たっているわけです。今の自衛隊は政府の下にいて、その政府はアメリカワシントンの下にいる構図ですから・・・
もし本当に日本を変えるのであれば、繰り返しますがアメリカ軍需複合体に毒されているキリストプロテスタント移民国家アメリカとの関係を見直す体をはれる政党ではないと難しいのではないのでしょうか。
投稿: ソクラテス | 2007年7月27日 (金) 11時34分
情報源がテレビ・新聞に限られているようだと判断材料は偏ったものになりますが、お父さんは最近の状況については、どのようにお考えなんでしょうか。特に対米関係。
投稿: ゴンベイ | 2007年9月22日 (土) 15時13分