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2007年5月20日 - 2007年5月26日の1件の記事

2007年5月25日 (金)

屁理屈

Miyauchi

五十嵐仁の転成仁語で知りましたが、内閣府の審議会である「規制改革会議」再チャレンジワーキンググループ・労働タスクフォース(何でこんなに横文字ばかりなのでしょう?)が5月21日に出した答申はもうやりたい放題の内容です。

以下はその答申の前文からの抜粋ですが、分かりやすくするために箇条書きにして番号をふりました。全体が見たい方はコチラにあります。


一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めれば、その労働者の保護が図られるという考え方は誤っている。

  1. 不用意に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、そのような人々の生活をかえって困窮させることにつながる。

  2. 過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果となるなどの副作用を生じる可能性もある。

  3. 正規社員の解雇を厳しく規制することは、非正規雇用へのシフトを企業に誘発し、労働者の地位を全体としてより脆弱なものとする結果を導く。

  4. 一定期間派遣労働を継続したら雇用の申し込みを使用者に義務付けることは、正規雇用を増やすどころか、派遣労働者の期限前の派遣取り止めを誘発し、派遣労働者の地位を危うくする。

  5. 長時間労働に問題があるからといって、画一的な労働時間上限規制を導入することは、脱法行為を誘発するのみならず、自由な意思で適正で十分な対価給付を得て働く労働者の利益と、そのような労働によって生産効率を高めることができる使用者の利益の双方を増進する機会を無理やりに放棄させる。


まずに関しては、現在の最低賃金では暮らしていけない、生活保護費よりも低い収入になってしまう所謂ワーキングプアといわれる人々の問題を、”生産性”という彼らの大好きな言葉を使って個々人の能力の問題にすり替えています。個々人がつましくも生活していけるようにという観点がすっぽり抜け落ちているので、このような考え方になってしまうのでしょう。さらにはこの考えは現在の生活保護費の引き下げにも口実を与えかねません。
についても逆立ちした考えだと思います。結婚や育児、介護で働きたくても仕事を辞めざるを得ない立場に得てして女性は追い込まれやすいという現実を無視した経営者側の口実にしか思われません。
,も実に狡猾な論法だと思います。労働者の側に立つふりをして、そのじつ経営者側の横暴や脱法行為は自然に”誘発される”ことで片付けられています

とにかく「規制を設けると脱法行為などを誘発するからやめたほうがよい」ということのようですが、かれらの違法行為や脱法行為から労働者を守るためにこそ、これらの規制が設けられてきたのではなかったのでしょうか? 速度制限を設けると違反者が出るから速度制限は撤廃した方がよいと、運送トラックの会社が進言しているようなものです屁理屈とはまさにこのことでしょう。

この種の審議会は経営者や学者のみで構成されていて不公平ではないのかなと以前から思っていましたが、そのとおりのようです。

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