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2008年2月の3件の記事

2008年2月11日 (月)

岩国市長選

 岩国市長選は残念ながら僅差で井原前市長の敗北に終わってしまいました。どんなに接戦でも1票でも上回って井原市長を引きずり下ろしさえすれば、この国を今牛耳っている大きな力を持った人たちにとっては大勝利のはずです。今後米軍再編に伴う地域住民の抗議の声は今回と同じような方法でかき消されていくのでしょうか。

 一方今回の真っ二つに別れた票数からは岩国の人たちの呻吟が聞こえてくるかのようです。井原前市長に投票した人たちも、ひたひたと伝わってくる大きな力に不安を覚え、”夕張のようになるぞ”などという脅しの言葉に心中穏やかではなかったはずです。また福田前衆院議員に入れた人たちも決して米軍基地を有り難がってなどはいないはずで、それぞれの心情は紙一重の差なのだと思います。それだけにそんな状況を作り出した、米軍再編やそれに盲従する政府、再編交付金などというえげつないやり方に怒りを覚えます。

 防衛省は三十三にのぼる自治体に米軍再編交付金の交付を指定する一方で、今回の岩国市や、沖縄県名護市など基地再編を受け入れていない自治体は排除して兵糧攻めにしようとしています。支配する”上”の側からは当然のいわゆる”アメとムチ”ということなのでしょうが、地方の財政危機につけ込んだ姑息なやり方としか思えません。その指定が恣意的なことは、今でも政府案の修正を求めている名護市に対して、岩国市長選の直前に一転して交付金を支給することを政府が決めたことでも明らかです。

 米軍基地の再編がそんなに大切なら、その理屈を実際に生活に影響を受ける地域の小さな人間たちに判りやすく、根気よく説明することが、大きな力を持つ”上”の人間たちの義務ではないでしょうか。彼ら”上”の人間たちの目は一体どこを向いているのでしょうか。彼らの中には”愛国心”をよく口にする方が多いようですが、その”国”とは”彼らの体制”のことであって、そこに住む小さな小さな”下”の人たちのことは芥子粒ほどにも見えていないのではと思ってしまいます。

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2008年2月 8日 (金)

右翼は何をしている!

 岩国が今、対米従属しか頭にないこの国の支配権力に押しつぶされそうになっています。もちろん投票結果はまだ出ていませんが、岩国市民ではない私にも国家権力の重圧がヒシヒシと伝わってくるような重苦しさです。ただ考えてみればこれは我が物顔で世界に厄災をまき散らしているモンスター=アメリカの世界戦略の一環に過ぎません。アメリカに対して何の物言いもできず、ひたすら自国民に忍従を強いる政府のやり方には強い怒りを覚えます。

 この怒りは日本人(*この国に住む人の総称として使っています)としての根源的な怒りです。ここで強く思うのですが、右翼と称する人達はこの事態をどう考えているのでしょうか。井原市長や岩国の人々の主張は何ら思想的なものではありません。日本人なら誰もが納得できるものです。

 その日本人なら当たり前の主張をあろう事かこの国の政府が外国の片棒を担いで押しつぶそうとしているのです。ここで行動せずして何が右翼ですか! 全国から馳せ参じて米軍基地を取り囲むぐらいのことが何故できないのでしょうか。

 そういえば右翼が米軍基地に斬り込んだとか、基地の周辺で街宣活動をして問題になったなどと言う話はとんと聞きませんが、彼らは米軍基地が厳然としてこの国にあるということをどう捉えているのでしょう。もし米軍再編の方が岩国市民、ひいては日本国民より大切だというのなら、それは右翼なんぞではなく単なる体制擁護派ということでしょう。

 つまらない理屈をこねてしまいましたが、心ある右翼の方々、岩国市民の応援を切にお願いします。

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2008年2月 1日 (金)

大阪府知事選に思う

 大阪府知事選の結果には少々驚きました。忙しい日々が続いていて、どの候補が優位に選挙戦を戦っているかなどの情報は全く持ち合わせていませんでした。私の知る限りにおいての橋下弁護士のこれまでの言動やテレビでの振る舞いからは支持する気にはとてもなれませんでしたし、それがわかりさえすれば人々の支持も露と消え去るだろうと考えていましたが、蓋を開けてみればダブルスコアとは恐れ入りました。

 私が嘆いていると、妻は平然と「だって、後の人は全然知らないもん。通るの当たり前やん。」と言ってのけました。かねがねB層を自任している妻ですが、案外そんなところなのだと思います。結局はテレビ的にうまく演出ができる人、そういう意味での”タレント”がこれからますます幅を利かしていくのでしょう。テレビでは橋下候補の応援演説にやってきた東国原宮崎県知事の映像も流していましたが、大阪府政もこれからはテレビのワイドショーの定番と化するのでしょうか。

 テレビといえば、昨年末に放送されたNHKの「ワーキングプアIII」のビデオを一人での昼食時に少しずつ見ています。妻とも最初は一緒に見たのですが、「食事の時にはあまり見たくない」とのことでしたので…。それでも妻は”ワーキングプア”について一生懸命友人達に語ってくれているのですが、子供の小学校時代からの茶飲み友達(50歳前後)、習い事関係の友達(60歳前後)、うちの診療所で働いてくれている方々(30代から60代)、誰一人この番組は見ていませんでしたし、所詮私の受け売りでは番組の意図する所は伝わらなかったようです。一方この中の少なからぬ人々から雪の中を一晩中歩き回って厳冬の夜を凌いでいるというホームレスの話題が出たそうです。妻に言わせると”朝の忙しい時間帯に2時間にもわたって放映されている”民放のワイドショーの一コマだったようですが、たいていの人がその日の話題のひとつとして共有していたようです。もちろんその感想も異口同音に「あのホームレスの人は朝まで歩き通せたかしらね?」。

 結局テレビの持っていき方次第です。同じような話題でも一方では鋭い社会批判にもなることが、他方ではその日のうちに消費されてしまう話の種でしかありません。先に挙げた人たちは実直に生活されているごく普通の方々ですが、テレビの言うことは疑うこともなく素直にそのまま受け止めてしまいます。最近コマーシャルが目立つ”飲むヒアルロン酸”の健康食品、効くはずもないのですが、妻がその事を話しても「あんなに朝早くから何回もコマーシャルをしているのだから、嘘のはずがないわ。」との答えが返ってきたそうです。この方も含め、みな例の”納豆ダイエット”の経験者です。騙されても騙されてもテレビの言うがままです。

 この方々の橋下弁護士評は私が妻に予想してみせたとおり「何かやってくれそう」でした。私はこの方々を露ほども非難する気はありません。もちろん馬鹿にする気も毛頭ありません。皆妻の大切な友達ですし、私自身も五十歩百歩の所にいるのだと思っています。ただテレビを見れば見るほど自分の頭で考える力が無くなっていき、昔の人ならその人生の過程で培われてきた常識に照らし合わせて簡単に嘘だと喝破できたようなことも、「テレビがこう言っているから…」と簡単に騙されてしまっていることが悔しくてならないのです。もちろん橋下弁護士が大阪府民のために粉骨砕身して下されば言うことはありませんが、そうしようとしまいとテレビとの蜜月関係を維持さえできていれば今後二選も三選も楽々してしまうのでしょう。

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