カテゴリー「経済・政治・国際」の58件の記事

2008年3月16日 (日)

新銀行東京

 新銀行東京の問題に関する石原都知事の一連の発言、何だか太平洋戦争に突入していったときの軍部や内閣の対応と二重写しに見えてしまいます。ずるずると破局に陥ってしまう前にブレーキをかけられる人はいないのでしょうか。

 900億円の累積赤字とか、破綻処理には1000億円かかるとか、あまりにも大きな額で庶民には想像も着かないのかも知れませんが、東京都の出資金額合計1400億円を都税の納税者数約650万人で割ると一人当たり2万円強となります。

 まず都民の代表であるはずなのに、旧経営陣の責任についての調査報告書の全文公開や参考人招致にさえ応じようとしない自公議員もさることながら、都民の声がまったく聞こえてこないのが不思議です。

 自分たちが選んだ都知事だからと言って東京の人たちは、ただ指をくわえて見ているだけなのでしょうか。自分たちもテレビの言うがままに、最先端の流行に群がり、(私から見れば)無駄遣いをしまくっているので、2万円くらいは仕方がないと言うことでしょうか。

 あれだけの高い支持を得て当選した石原都知事ですから、野党がいくら声を張り上げ、メディアがいかに面白可笑しく伝えようと、都庁を取り囲むようなデモでも起きないかぎり絶対にいまのやり方を貫くのでしょう。

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2008年2月11日 (月)

岩国市長選

 岩国市長選は残念ながら僅差で井原前市長の敗北に終わってしまいました。どんなに接戦でも1票でも上回って井原市長を引きずり下ろしさえすれば、この国を今牛耳っている大きな力を持った人たちにとっては大勝利のはずです。今後米軍再編に伴う地域住民の抗議の声は今回と同じような方法でかき消されていくのでしょうか。

 一方今回の真っ二つに別れた票数からは岩国の人たちの呻吟が聞こえてくるかのようです。井原前市長に投票した人たちも、ひたひたと伝わってくる大きな力に不安を覚え、”夕張のようになるぞ”などという脅しの言葉に心中穏やかではなかったはずです。また福田前衆院議員に入れた人たちも決して米軍基地を有り難がってなどはいないはずで、それぞれの心情は紙一重の差なのだと思います。それだけにそんな状況を作り出した、米軍再編やそれに盲従する政府、再編交付金などというえげつないやり方に怒りを覚えます。

 防衛省は三十三にのぼる自治体に米軍再編交付金の交付を指定する一方で、今回の岩国市や、沖縄県名護市など基地再編を受け入れていない自治体は排除して兵糧攻めにしようとしています。支配する”上”の側からは当然のいわゆる”アメとムチ”ということなのでしょうが、地方の財政危機につけ込んだ姑息なやり方としか思えません。その指定が恣意的なことは、今でも政府案の修正を求めている名護市に対して、岩国市長選の直前に一転して交付金を支給することを政府が決めたことでも明らかです。

 米軍基地の再編がそんなに大切なら、その理屈を実際に生活に影響を受ける地域の小さな人間たちに判りやすく、根気よく説明することが、大きな力を持つ”上”の人間たちの義務ではないでしょうか。彼ら”上”の人間たちの目は一体どこを向いているのでしょうか。彼らの中には”愛国心”をよく口にする方が多いようですが、その”国”とは”彼らの体制”のことであって、そこに住む小さな小さな”下”の人たちのことは芥子粒ほどにも見えていないのではと思ってしまいます。

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2008年2月 8日 (金)

右翼は何をしている!

 岩国が今、対米従属しか頭にないこの国の支配権力に押しつぶされそうになっています。もちろん投票結果はまだ出ていませんが、岩国市民ではない私にも国家権力の重圧がヒシヒシと伝わってくるような重苦しさです。ただ考えてみればこれは我が物顔で世界に厄災をまき散らしているモンスター=アメリカの世界戦略の一環に過ぎません。アメリカに対して何の物言いもできず、ひたすら自国民に忍従を強いる政府のやり方には強い怒りを覚えます。

 この怒りは日本人(*この国に住む人の総称として使っています)としての根源的な怒りです。ここで強く思うのですが、右翼と称する人達はこの事態をどう考えているのでしょうか。井原市長や岩国の人々の主張は何ら思想的なものではありません。日本人なら誰もが納得できるものです。

 その日本人なら当たり前の主張をあろう事かこの国の政府が外国の片棒を担いで押しつぶそうとしているのです。ここで行動せずして何が右翼ですか! 全国から馳せ参じて米軍基地を取り囲むぐらいのことが何故できないのでしょうか。

 そういえば右翼が米軍基地に斬り込んだとか、基地の周辺で街宣活動をして問題になったなどと言う話はとんと聞きませんが、彼らは米軍基地が厳然としてこの国にあるということをどう捉えているのでしょう。もし米軍再編の方が岩国市民、ひいては日本国民より大切だというのなら、それは右翼なんぞではなく単なる体制擁護派ということでしょう。

 つまらない理屈をこねてしまいましたが、心ある右翼の方々、岩国市民の応援を切にお願いします。

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2008年2月 1日 (金)

大阪府知事選に思う

 大阪府知事選の結果には少々驚きました。忙しい日々が続いていて、どの候補が優位に選挙戦を戦っているかなどの情報は全く持ち合わせていませんでした。私の知る限りにおいての橋下弁護士のこれまでの言動やテレビでの振る舞いからは支持する気にはとてもなれませんでしたし、それがわかりさえすれば人々の支持も露と消え去るだろうと考えていましたが、蓋を開けてみればダブルスコアとは恐れ入りました。

 私が嘆いていると、妻は平然と「だって、後の人は全然知らないもん。通るの当たり前やん。」と言ってのけました。かねがねB層を自任している妻ですが、案外そんなところなのだと思います。結局はテレビ的にうまく演出ができる人、そういう意味での”タレント”がこれからますます幅を利かしていくのでしょう。テレビでは橋下候補の応援演説にやってきた東国原宮崎県知事の映像も流していましたが、大阪府政もこれからはテレビのワイドショーの定番と化するのでしょうか。

 テレビといえば、昨年末に放送されたNHKの「ワーキングプアIII」のビデオを一人での昼食時に少しずつ見ています。妻とも最初は一緒に見たのですが、「食事の時にはあまり見たくない」とのことでしたので…。それでも妻は”ワーキングプア”について一生懸命友人達に語ってくれているのですが、子供の小学校時代からの茶飲み友達(50歳前後)、習い事関係の友達(60歳前後)、うちの診療所で働いてくれている方々(30代から60代)、誰一人この番組は見ていませんでしたし、所詮私の受け売りでは番組の意図する所は伝わらなかったようです。一方この中の少なからぬ人々から雪の中を一晩中歩き回って厳冬の夜を凌いでいるというホームレスの話題が出たそうです。妻に言わせると”朝の忙しい時間帯に2時間にもわたって放映されている”民放のワイドショーの一コマだったようですが、たいていの人がその日の話題のひとつとして共有していたようです。もちろんその感想も異口同音に「あのホームレスの人は朝まで歩き通せたかしらね?」。

 結局テレビの持っていき方次第です。同じような話題でも一方では鋭い社会批判にもなることが、他方ではその日のうちに消費されてしまう話の種でしかありません。先に挙げた人たちは実直に生活されているごく普通の方々ですが、テレビの言うことは疑うこともなく素直にそのまま受け止めてしまいます。最近コマーシャルが目立つ”飲むヒアルロン酸”の健康食品、効くはずもないのですが、妻がその事を話しても「あんなに朝早くから何回もコマーシャルをしているのだから、嘘のはずがないわ。」との答えが返ってきたそうです。この方も含め、みな例の”納豆ダイエット”の経験者です。騙されても騙されてもテレビの言うがままです。

 この方々の橋下弁護士評は私が妻に予想してみせたとおり「何かやってくれそう」でした。私はこの方々を露ほども非難する気はありません。もちろん馬鹿にする気も毛頭ありません。皆妻の大切な友達ですし、私自身も五十歩百歩の所にいるのだと思っています。ただテレビを見れば見るほど自分の頭で考える力が無くなっていき、昔の人ならその人生の過程で培われてきた常識に照らし合わせて簡単に嘘だと喝破できたようなことも、「テレビがこう言っているから…」と簡単に騙されてしまっていることが悔しくてならないのです。もちろん橋下弁護士が大阪府民のために粉骨砕身して下されば言うことはありませんが、そうしようとしまいとテレビとの蜜月関係を維持さえできていれば今後二選も三選も楽々してしまうのでしょう。

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2007年11月21日 (水)

早わかりテロ特措法

テロ特措法のビラ、「早わかりテロ特措法」を作りました。リンクをクリックしてPDFをダウンロードできます。

Army_2

民主党小沢一郎代表の裏切りは、民主党による政権交代が必ずしも平和憲法を守る手だてにはならないことを私に思い知らせてくれました。それどころかもし彼の野望が日の目を見ていたら、今頃は自衛隊を海外に派遣する恒久法の成立が時間の問題になっていたでしょう。国連の指揮下であろうと無かろうと自衛隊が海外で戦闘を始めたらもう憲法9条は有名無実となってしまいます。

改憲を目論む人たちは今までも既成事実を積み重ねることによって、じわじわと憲法を貶めてきました。だからこそテロ特措法の存廃は今後の改憲の流れに大きな影響を与えると思います。しかるに各種世論調査で賛成の人が4割前後もいることにとても心配しています。もちろん態度を決めかねている人たちもまだ多いのですが、世論調査の度にじりじりと賛成派が増えてきているような気がします。

Kyuyu1_2

これには「国際貢献」だの「世界から評価されている」だの「国益」だのという政府・与党の宣伝がある程度効果を上げているのではないかと思います。先日も自民党の伊吹文明幹事長がテレビで「給油活動は国際的に高い評価を受けており、それを続ける事で他の国からも尊敬される云々」の発言をしていましたが、このような詭弁に影響を受けて”何となく賛成”という人が多いのではないでしょうか。

Kubaku4

何故詭弁かというと、戦争をしながらの「国際貢献」などあり得ないと思うからです。”貢献”しているのは親分の国に対してであり、”評価”を受けているのも親分の国からです。戦争の相手や戦場になっている国にとっては憎悪と復讐の対象でしかないでしょう。「国益」にしたって財政危機に瀕して、医療費や年金を削られ、消費税の値上げを脅されている庶民にとっては、血税を湯水のように使われる米艦への給油活動は”国益”どころか”苦役”でしかありません。

このようなテロ特措法の実態を知ったらもっと反対する人が増えるのではと考え、「早わかりテロ特措法」というビラを作りました。どうぞ御利用下さい。

Jcar

ビラにも書きましたが、平和国家日本が戦後営々として作り出してきた製品や文化こそ真の「国際貢献」だと私は思っています。質の高い日本製の車や家電品は世界中の人の役に立ち、間違いなく”国際的な評価”を受けていますし、アニメやマンガは今や世界中の人々を楽しませています。テロ特措法のような”国際貢献”はまやかしです。

Dragonball

ビラをダウンロードする。

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2007年11月10日 (土)

みんなを騙すためだったん?

Ozawa

私が「小沢一郎に騙された!」と言うと、かみさんから「あの全国行脚はみんなを騙すためだったん?(原語のまま)」との返事。政治関連の話題に疎い妻にもあの地方まわりの全国行脚は印象深かったようです。

毎日のつましい生活がいつの間にか苦しくなり、気がつくと将来の展望も見いだせなくなってしまったことに、この国の少なからぬ人々が気付き始めています。金まみれの醜い姿を厚化粧と下品なブランド物で包み隠した”東京”をテレビのモニター越しに見ながら、私たちは大きな違和感を覚え始めています。そんな時、飾らぬ姿で山間地を遊説して回る小沢さんの映像を見て、この人なら地方の惨状をわかってくれる、生活を第一に考えてくれると考えて参院選の一票を投じた人も多いはずです。

その”東京”発のテレビから、ひがな放出される文字通りの”笑”気ガスに思考力を麻痺させられながらも、この国がアメリカに盲従した果てに遠い異国でアメリカのために戦わされようとしていることにそこはかとない不安を感じていた人々も、テロ特措法へ反旗を翻した小沢さんに胸のすく思いを抱いたはずです。アメリカに楯突く小沢さんの身の安全を心配した人も少なくなかったでしょう。

Nabetune

それが何で”大連立”なんでしょう。それは政治家には権謀術数が必要なこともあるかも知れませんが、何よりも大切なことはやはり信用だと思います。信頼できない政治家に誰が付いていくでしょうか。何で翼賛政治を持ちかけ、そのためには今の小選挙区制度(良い悪いは別にしてですが…)もまた変えてしまえと平気で持ちかけるような男の口車に簡単に乗ってしまうのでしょうか。

百万言を費やしてもやはり今度のことは「裏切り」以外の何物でもないと思います。小沢さん、やっぱりあの全国行脚は私たちを騙すためだったんですか?

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2007年10月 1日 (月)

小ささ政府、大きな軍隊

Nagai

ミャンマーで反政府デモ鎮圧を取材していた映像ジャーナリストの長井健司さんが、治安部隊の兵士に射殺された事件は、生々しい動画を目にして本当に衝撃でした。丸腰の市民にいともたやすく発砲する、”暴力装置”としての軍隊の本性を見せつけられた思いです。

軍隊とは他国や国内の反対分子を有無を言わさずねじ伏せようとするときに使われる権力の暴力装置そのものです。その証拠に命令さえ下れば自国民であろうと平気で銃を向け戦車で踏みにじります。天安門事件然り、光州事件然りです。一人一人の兵士を非難しているのではありません。軍隊というものの性質上そうならざるを得ないのです。

Kyuyu

軍隊は軍事機密を錦の御旗に人々の口を塞ぎ、平気で国民を欺き、さらには反対分子をスパイ扱いします。そのため沖縄ではかつて多くの人々が自決を迫られ、今はと言えば米軍基地に反対する人々が自国の軍隊に監視されています。国民を欺いて高価な燃料を湯水の如く他国を攻撃する米軍の艦船に違法に給油し続けたり、戦闘にわざと巻き込まれて自衛権を行使しようなどと企んだりします。

軍隊は途方もなくお金がかかります。お金をかけてもかけても張り合っている相手も同じようにお金をかけるので、いくらかけてもひとつも安心できません。かければかけるほど緊張は高まり、安心は遠のきます。お金をかければかけるほど皆が安心できるようになる医療や福祉や公共事業は最近は小さな政府が良いんだとかで、悪者扱いです。

小さな政府大きな軍隊、こんな国にはなりたくないものです。

Okinawa1_2

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2007年9月 9日 (日)

北朝鮮が攻めてきたら…

Tepodon

「そんなこと言ったってもし北朝鮮が攻めてきたらどうするの?」
よく使われる殺し文句です。早ければ3年後にも行われる改憲の是非を問う国民投票にむけて、周囲の身近な人達に護憲の大切さを訴え、理解と支持を得るために私たちができる範囲のささやかな働きかけをする場合でも、必ず誰かから発せられる質問でしょう。さて皆さんはどう答えられるでしょうか。

今週号のマガジン9条〜この人に聞きたいで、劇作家の永井愛さんが答えてくれています。実際には「非戦を選ぶ演劇人の会」による「ピースリーディング」の第10回として上演された、永井さん脚本・演出の「9条は守りたいのに口ベタなあなたへ…」で劇中の登場人物が答えています。その辺の所を少し長くなりますが、マガジン9条から引用させていただきます。(以下引用)

永井

 改憲派の論理って、すごくわかりやすいんですよね。「北朝鮮が攻めてきたらどうするんだ」「軍隊がないと国際貢献できない」…それに対して護憲派というのは、9条を守るということはもう自分の中で検証する必要がなくなってしまっていて、そういう改憲派の具体的な問いに対して答えることができなかったりする。それに、割と心優しき人が多くて(笑)、攻撃的に反論もできなくて口ごもりがちだったりするし。そういう護憲派に、けんか腰ではなく、「でも、こういう見方もあるんですよ」と、会話をしてもらうきっかけ、材料を提供するのはどうだろうと。
 そのアイデアに基づいて、ゼロから自分では考えられませんから、いろんな方の発言が載った資料を使わせていただいて、台詞にしていきました。「あの人はこう言っている、この人はこう言っている」という、いわば「いいとこ取り」です。

編集部

 たしかに、「9条は守りたいのに〜」の中には、そういった「反論」の材料になりそうな場面がたくさん出てきましたね。
 たとえば、主人公が通っているパッチワーク教室の先生は護憲派なんだけれど、生徒のひとりに「国が戦力を持つのは、強盗から身を守るために家に戸締まりをするようなもの。非武装中立を主張するなら、家のセキュリティシステムを解除して、鍵をかけるのもやめないとおかしい」と言われて反論できず、しょうがないから鍵を閉めずに暮らし始めて、あまりの不安のために病気になってしまう。主人公がそれを夫に話したところ、夫は「家の戸締まりは外からの侵入を防ぐだけだが、武力は人を殺す。家の戸締まりをいくら厳重にしても周囲には不安を与えないけれど、軍備を増強すれば周囲の国を警戒させる。そもそもそれは例えになっていないんだ」と指摘する——というシーンがありました。たしかにこの「国家戸締まり論」は、9条を守りたいと思っている人の「弱点」の一つになっていますね。

永井

 「家にも戸締まりが必要なように、国にも戸締まりが必要だ」と言われると、一瞬「なるほど」とか思ったりしそうになるんですよね(笑)。本当は「鍵で人は死なない」というところまで言わないと意味がないのに。例え話という古典的なトリックですね。
 あとは「軍備を持たないというなら、あなたは道で暴漢に襲われても抵抗しないんですね」とかね。

編集部

 これについても、主人公の夫が「暴漢を他国の襲撃に例えるのなら、“暴漢に襲われるかもしれないから必ずナイフを携帯して、教われたら迷わず刺して、その暴漢の家も壊して、家族も殺しましょう”というところまで言わないと「軍備を持つ」ことの例えにならない。そもそも、他国が攻めてくる前には、必ず両国の関係が悪化する期間があるのだから、ある日突然襲いかかってくる強盗や暴漢に、国を例えること自体に無理がある」と指摘していました。

Peninsula

なかなか説得力がありますよね。ただしこのインタビューでは肝腎の「もし北朝鮮が攻めてきたらどうするんだ」という質問の答えは出てきません。私はこの「9条は守りたいのに口ベタなあなたへ…」は観ていませんので劇中でその答えが語られたどうかも分かりません。それならと永井さんの仰っているいわゆる「いいとこ取り」を自分でしてみようとネットで少し調べてみました。

マスコミ9条の会梅田正己氏のコラムとだ九条の会「北朝鮮脅威論」「中国脅威論」などへの反論(1)(2)などはある種の模範解答なのかも知れませんが、私には「通販生活」の斎藤駿氏によるJanJanの記事護憲派の課題:そろそろ、信念から戦略へがかなりの長文ですが、最も説得力を感じました。それにしてもやはり最後は良くも悪くもテレビですか。
同記事より引用

「テレビ・テレビ・テレビ  テレビには どくがある。  たったひとつの テレビが  蝮のどくよりも よくきく」
「テレビか、集会か、それが問題だ。  テレビか、活字か、それが問題だ。  単純か、複雑か、それが問題だ。  なじみのある著名人が明快に語るか、なじみの薄い九条の会発起人が難解に語るか、 それも問題だ。」

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2007年8月 7日 (火)

小さな、小さな護憲運動、でも…。

Kenpo

妻が時々参加している子供(が幼稚園や小学生だった頃からの)つながりの井戸端会議、今や皆さん50歳前後の御婦人達ですが、今回も話題が尽きなかったようです。勿論参院選の話題も登場したようですが、安倍首相の評価がそれほど低くなかったり(皆さん拉致問題がすぐ頭に浮かぶようです。かっこいいという意見も多かったとか!)、丸川珠代さんに同情的だったり(TVタックルの司会で好感を持たれているようですが、この番組けっこう皆さん観ているんだなと複雑な思いでした)と、大方の情報をテレビで仕入れているごくごく普通(あくまでも私の周囲の話ですが…)の主婦の方達が、政治についてどのように考えているかを、妻からの伝聞ではありますが、垣間見た気がしました。

ネット上には危機を叫ぶ護憲派の声が満ちあふれていますが、一歩外に出るとこの有様です。憲法の”け”の字も話題に上らなかったそうです。妻が参加している別の習い事の席では60代の御婦人達から、自民党の○○さんから御世話になっているのでその人に入れるとか、北朝鮮が攻めてきたら大変だからアメリカの言うことを聞いておかないととかの言がよく聞かれるようで、妻は投票結果が出るまで今回の参院選の自民敗北にはとても懐疑的でした。私も今回の選挙結果はテレビに誘導されたところが多分にあるものと考えています。

今までの私ならここでため息をついてそれで終わりだったのですが、年のせいか憲法、とくに9条の行く末が気になって居ても立ってもいられません。思い切って先の井戸端会議の参加者のお一人に電話してみました。安倍首相が中心になって進めている憲法9条改訂を狙った国民投票法案が強行採決で成立したこと、結果として3年後には改憲派の国会議員の数によっては投票が実際に行われる可能性が高いこと、その場合最低投票率の規定もなく、テレビでの有料CMも自由なので、資金力のある改憲派にいっきに押し切られて9条の廃止が現実のものになる危険性がきわめて大きいこと、そうなったら自衛隊が米軍の先兵としてイラクを始め世界中で戦闘に参加させられることが目に見えていることなどを順を追ってお話し、最後に民主党の中にも改憲派の議員が少なからずいるので、来るべき衆院選ではそこをよく確かめて投票して欲しいと締めくくりました。

私は決して話し上手な男ではありませんし、ましてやこのような内容の話を身内以外の人にするのは初めてのことです。私の思いがどれだけ伝わったかは定かではありませんが、強行採決が頻繁に行われているという認識はこの方にもあるようでした。また肝腎の9条に関しては、御主人が時々テレビを見ていて「子供達が戦争に行くことになるぞ、安倍首相は子供がいないからわからんのだ。」と言っていたけど何のことかよくわからなかったそうです。それでも何とか私のつっかえつっかえの拙い話を理解してくださり、友達にも話してくれると約束してくれて長い電話は終わりました。

たった一人に対する、そして本当に思いが伝わったかどうかも自信のない、私の小さな小さな護憲運動です。しかし日本中の心ある方が周りの一人でも二人でもよいから、とにかく呼びかけ、粘り強く働きかけるしか今の状況は変えようがないと思います。ネット上だけではなく、実社会でも思い切って話しかけてみてください。電話をしてみて下さい。平和を望んでいない人などいないはずです。若者の命を献上してまでよその国につくし通せという人などいないはずです。皆さんそういう状況が目の前に迫っている事実を知らない、知らされてないだけです。まず知って貰うことから始めるしかありません。知ってくれさえすれば必ずや通じるはずです

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2007年7月30日 (月)

政治の話をしよう!

 いろいろな意見があるかも知れませんが、少なくとも圧倒的多数の国民が安倍首相のやり方にNOを突きつけたと言うことで今回の参院選の結果は大いに評価して良いものだと考えます。

 特筆すべきことは公明党が議席を減らしたことと、公明党の支持者(≒創価学会員)の自民党候補への投票数が減少したと言われることです。当たり前のことですが学会員は決して単なる集票マシーンではなかったということでしょう。お一人お一人は今の自民党政治の荒波をもろに受けつつも毎日を一生懸命生きている方々です。生活に根ざした考えをお持ちなのは私たちと変わりはないのだと思いますが、信仰心が強いが故に今までは学会の推薦通りの投票行動をとってきたのでしょう。この変化は自民党などの新自由主義に対する公明党のつきあい方にも影響を与えざるを得ないのではないかと思います。

 さて今回の参院選、私個人で言えばこんなに政治的な活動をした選挙はありませんでした。といってもビラ配りをしたり応援候補の集会に参加したわけではありません。政治について家族や周囲の人達と話したり、候補の選挙事務所に電話して疑問点をただしたり、戸倉さんの応援のために山口県の同級生にメールを送ったり、山口県が実家の知人に電話したりと、実際に政治活動をしている方から見ればママゴトのたぐいかも知れませんが…。

 郵政解散総選挙の茶番劇とそのマスコミの報道ぶりに怒り心頭に発しこのブログを始めた私ですが、実生活の舞台で声を発していくことの大切さが分かってきた気がします。今春の都知事選挙の時に初めて思い切って遠くの親戚や友人に思いの丈を書いたメールを送ってみたのですが、今の自民党の新自由主義的な政策に決して皆さん満足しているわけではない返信が届き心強く思ったものです。今回の参院選で送ったメールにも同様の返信をいただきました。

 一方ごく身近な方の中に公明党の母体が創価学会だと言うことを知らない方が複数おられて正直驚きました。今まで公明党の組織票などといわれていましたが、こういう方達の票も少なからずあったのではと思うと複雑な思いですが、今度の選挙では公明党≒創価学会という認識の元で投票してくれたものと思います。

 参院での与野党逆転はなりましたが、大量に当選した民主党議員の中に護憲派がどのくらいいるのか、秋の臨時国会で予想されるテロ特措法延長法案に一致団結して反対してくれるのかまだまだ予断を許しません。ただ今回の”私の選挙運動”から得た経験は貴重でした。まずは周りの人、身近な人に日常会話の中で政治の話をしてみること、そこから全てが始まるのだと思います。

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